独竜罪種　ヴァリザード

時は　現在20世紀日本・・・　
光と情報が進み　人の英知の栄えたる地・・・

だが・・・どのような時代に進もうと　人が神でない限り、

光の当たらぬ場所、人の目に触れざる場所は生まれ、

得てして ソコは『人ならざるもの』の舞台となる・・・

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・・・・・・・・・・シーン　02　・・・・・

そこは　ビルの工事現場

所どころに　積み上げられた　骨組や素材の山が積み上げられており
存在するのは　空高く　くみ上げられた 建造物の骨格と　
昼間には　けたましい騒音と振動で　周囲をにぎわかせているであろう。

だが　今、ココは　人の居ない　闇の世界。
あたりに　俺以外の人影はみえず　
他に存在するものといえば
主の人を待つ　物言わぬ建設機械と、
足元に横たわる　首の無い男の死体・・・

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『ギギ？　気になんのか？　ソレ？』

建築途中のビルの上・・・
人間では　視認が難しいであろう場所に　ソイツは居た。

フクロウ　ヒトモドキ。

俺は　人目で　ソウ名づけた
その体躯を純白の羽毛で包み。鉄骨を止まり木に見下ろすその姿は　
まさに　獲物を狙うフクロウそのものだった。

もちろん　本物は　あんなに巨大ではないし、第一　両腕など付いていない。

『はじめましてダナ。　おまえ　ヴァリザだろ？　オレは・・・』

「・・・おまえの　仕業か・・・」

オレは質問に答えず　死体を眺め、たずねる
・・・いや、コレは質問ではない、非難だ。
ヤツの仕業だということは　血塗られたクチバシが証明している。

『キキッ？ああ、オレ、グルメなんだよ。体なんか　いらねぇ♪
・・・なんだ　オマエも　腹へってたんか？』

だが　ヤツは　それを楽しそうに答えた
甲高き　ヤツの唸りが頭に響く

・・・そうだな・・・　
バカなことを　聞いたものだ
確かにコイツラは　人並みの知能はあり会話もできる
　だがコイツラはヒトでない、ヒトモドキだ

『なんなら　もう一匹捕まえてきても・・・」

・・・ダマレ・・・

俺は　低くうなり　構えをとる。

そう、ヒトモドキに会話など無意味。
必要なのは・・・鉄槌のみ

『ギッ！　信じられねぇ　噂はホントだったんかっ！？
　ヴァリザはヒトをくわねえ・・・オレ達を喰らうってかっ！？』

フクロウモドキも　両腕を広げ戦闘態勢をとる。
折りたたまれていた鎌爪が広き、　月夜に怪しく輝く。

『じゃあ　テメェはイラネェや・・・死んどけッ　ヴァリザァ！！』

そして
　ソノ身に似つかわしくない　巨大な白き翼を　はためかせながら、
　白き死神は　一気に舞い降りる。

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